【熱中症の予防】


特に5-6月の活動が十分にできないチームにおいては、暑熱順化と体力低下に配慮し、練習時は熱中症に対する十分な対策を講じてください。また、マスク着用により放熱が低下することで、熱中症になりやすいことに留意してください。

 

《運動による熱中症》

暑い環境のもとでの激しい運動によって体が生み出す熱に対して、高温多湿のために熱の放散が妨げられることにより起きます。

 

《熱中症の症状》

頭痛、吐き気、めまい、脱力感、けいれん、意識障害、高体温等などが症状と認められますが、意識障害がある場合は重症です。重要な臓器(特に脳)が障害を受けることもあり、死亡に至ることがあります。

 

《処置》

<意識がはっきりしている場合>

⚫ 涼しいところへ運び、衣服をゆるめ、寝かせる。

⚫ 吐き気やけいれんがなければ水分補給。水分摂取ができない場合は救急車を要請する。

⚫ 体温が高ければ、水を全身にかけて風を送る。または氷で首の横、脇の下、足のつけね前面を冷やす。 ⚫ 様子がおかしければ直ちに救急車を要請する。

 

<意識がないあるいは意識がぼんやりしている場合>

⚫ 応答が鈍い、言動がおかしい、あるいは意識がない場合は、迷わず直ちに救急車を要請する。

⚫ 涼しいところへ運び、衣服をゆるめ寝かせる。

⚫ 体温が高ければ、水を全身にかけて風を送る、または氷で首の横、脇の下、足のつけね前面を冷やす。経過を注意深く見守ること。

⚫熱中症の意識障害=熱射病の疑われる場合の冷却方法は、全身の冷水浸漬が有効とされており、日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」でも以下の冷却方法が推奨されています。

(P9熱射病が疑われる場合の身体冷却法)

・ 氷水浴/冷水浴法(可能ならば、直腸温モニター)

・ 水道水散布法

・ アイスタオル

 

《熱中症要因》

<外的要因>

⚫ 周辺温度 直射日光 湿度 風

⚫ 衣類(黒い衣類、ヘッドギア、ショルダーパッド)

⚫ 薬物(風邪薬、カフェイン)

 

<内的要因>

⚫ 熱中症の既往のある選手

⚫ 体格(肥満)、有酸素性体力、気候順応

⚫ 水分補給状態

⚫ 病気(かぜ、下痢、など)

 

《予防》

⚫ 暑熱環境の把握

⚫ 暑熱馴化

⚫ 水分補給(体重減少2%以内、喉の渇きにもとづく自由飲水、0.1~0.2%の食塩水)

⚫ 吸湿性・通気性の良い衣服

⚫ 直射日光の下では帽子やタオル

 

《熱中症対策:熱ストレス減少のための戦略》

<選手への教育>

⚫ 過去の熱中症の既往の有無を報告させる

⚫ 発熱を伴う感染症の罹患の有無を報告させる

⚫ 薬物(風邪薬、カフェイン)を使用した場合は申告させる

⚫ 水分補給の重要性を理解させる(練習および試合前、中、後)

⚫ 熱ストレスの徴候を早期報告させる

⚫ 痙攣、頭痛、嘔気、嘔吐の症状がある場合は報告させる

⚫ 通気性の良い、軽い、締め付けの少ないウェアを着ることを意識させる

⚫ 自己管理の意識を持たせる

 

<現場指導者の注意点>

⚫ 暑熱環境の把握(WBGT が望ましい:文末参照)

⚫ 選手の熱ストレス徴候を早期発見

⚫ 発熱を伴う感染症にかかっているかどうかを報告させるよう指導

⚫ 水分補給を意識した練習計画(自由飲水の可能な練習環境)

⚫ 運動前後の体重測定(体重減少2%以内となるように水分補給)

⚫ 熱射病の危険性の理解

⚫ 暑熱馴化には7〜10 日が必要

⚫ 選手の特性(熱中症のなりやすさ)の確認(たとえば、経験年数が少ない、過去に熱中症の経験あり、肥満気味、体力が低い) 

 

参考:

公益財団法人日本ラグビーフットボール協会発行「ラグビー外傷・障害対応マニュアル」

(11.内科的疾患2(熱中症)P.48-52)

 

公益財団法人日本スポーツ協会「熱中症を防ごう」 

 


【熱中症に対する参考情報】


スポーツ庁および日本スポーツ協会のホームページで、新型コロナウイルスウイルス感染症対策と合わせた熱中症対策が公開されています。

 

公益財団法人日本スポーツ協会:「スポーツ活動再開時の新型コロナウイルス感染症対策と熱中症予防について」

 

環境省熱中症予防情報サイトで、日本全国840 地点の暑さ指数(WBGT)の予測値が公開されています。 このサイトの中で紹介されていますが、WBGT の予測値を通知してくれるメールサービス「暑さ指数 メール配信サービス(無料)」を活用してください。 

 

厚生労働省熱中症関連情報