【雷に関する注意】


スポーツ中の落雷事故は一定の頻度で発生しており、落雷そのものを防ぐことはできませんが、適切な対応を取ることで防ぐことが可能です 。周囲に遮るもののないグラウンドで行われるラグビー活動においては、急な天候の変化に対して一瞬の判断の遅れが致命的な事態を招きかねません 。ラグビーに関わるすべての関係者は、安全を最優先に考え、落雷のリスクから身を守るために適切な行動をとる必要があります 。 こうした背景から、日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は、日々の練習や試合における競技運営の安全を確保するため、新たな内容を盛り込んだ「落雷事故防止ガイドライン」を策定・改訂しましたので参考としてください。

以下に、本ガイドラインより運営や活動において特に留意してほしい重要ポイントを要約して示します。


ガイドラインの3つの柱と重要ポイント

1. 事前計画:EAP(緊急時行動計画)の策定

ラグビー活動中に落雷が予測された場合、迷わず迅速に行動できるよう、事前にEAPEmergency Action Plan)を決めて共有してください。 EAPを作成する際は、以下の6つの項目を必ず整理・網羅してください 。

役割分担: 万が一の事態が発生した際のスタッフの動きを決めておく 。

資機材の場所(AED含む): 救護に必要なAEDなどの場所を明確にする 。

グラウンド情報: 活動する場所の特性や状況を把握しておく 。

緊急時の連絡先: 119番通報や医療機関などの連絡先をリスト化する 。

救急車の進入経路: 救急車がスムーズにグラウンドへ入れるルートを確認しておく 。

避難場所: 落雷の危険から身を守れる安全な避難先を定めておく 。

2. 雷活動の予見:気象情報と「雷の兆候」の察知

  • 事前の気象確認: 練習や試合の前には、天気予報や雷予報アプリ(雷ナウキャスト等)、民間気象情報会社のアプリを活用して天候を確認し、落雷の可能性が高い場合は活動予定の変更を検討します 。
  • 活動中断の目安: 雷ナウキャストで活動場所周辺に活動度2以上の雷活動が確認されるか、民間アプリの警戒エリア内で雷活動が確認された場合は、直ちに活動を中断し避難します(避難に時間がかかる場合は早めの対応が必要) 。
  • 見逃せない4つの兆候: 以下の「兆候1」が確認されたら気象情報をチェックし、「兆候24」が確認された場合は直ちに活動を中断して避難を開始してください 。
    1. 積乱雲の発生・成長: 入道雲・モコモコとした雲がみるみる大きくなる 。
    2. 積乱雲の接近: 黒い雲が近づき、周囲が暗くなる 。
    3. 気象の急変: 急に冷たい風が吹いてくる 。
    4. 雷の発生: 稲光(雷光)が見える、または雷鳴が聞こえる 。

3. 避難行動:正しい避難場所の選定

  • 安全な避難場所: 自動車やバスなど乗り物の内部 、鉄筋コンクリート造・鉄骨造の建物内部 、本格的な木造建築物(屋根がしっかりとした金属製)の内部 。
  • 危険な場所(避難に適さない): 木造建物の軒下、バルコニー、屋上 、仮設小屋、テント内、ベンチやパイプ椅子の周辺 、高い樹木の下、林や森の中 。

 

近くに安全な避難場所がない場合の緊急措置 開けたグラウンドなどで建物や車両がない場合は、一時的な緊急避難として以下を行い、並行して車両等による迎え(ピックアップ)を要請してください 。

l  5m以上の高い構造物から4m以上離れ、姿勢を低く保つ 。

l  鉄筋コンクリートの電柱や鉄塔の近くでは、約2mの距離を保つ 。

l  電線がある場合は、その真下に入る 。

その他の重要な基準

  • 屋外活動再開の「30分ルール」: 活動を再開する場合は、必ず以下の2つの条件を満たすまで判断を見合わせてください 。
    • 条件 a 雷ナウキャスト等で活動場所周辺に活動度2以上の雷活動がない(または民間アプリ等の警戒エリア内に雷活動がない)こと 。
    • 条件 b 雷鳴もしくは雷光が最後に確認されてから「30分以上」が経過していること 。
  • 万が一、雷に打たれた場合の対応: 最も重篤なのは「心停止」の状態です 。落雷に遭った選手が出た場合は、速やかに安全な場所に搬送し、ただちに心肺蘇生法とAEDを使用してください 。また、これらと並行して119番通報を行います 。

 

なお、20254月に報道された落雷事故については、スポーツ庁から同年411日に以下の事務連絡が発行されています。事故情報につき参考にしてください。

 

スポーツ庁 落雷事故の防止について(依頼)

 

参考情報

気象庁 「急な大雨や雷・竜巻から身を守るために」

学校の危機管理マニュアル作成の手引き(雷への対応における留意点 P39)

株式会社ウェザーニューズ

株式会社フランクリン・ジャパン

スポーツ庁 屋外でのサッカー活動中における高校生の落雷事故の発生について

平成30720日付 文部科学省通知「落雷事故の防止について」

日本サッカー協会 サッカー活動中における落雷事故防止対策について 

公益財団法人スポーツ安全協会「スポーツ中の落雷から、どう身を守る?」

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